フランスにおける移民のDNA検査、食べ物の偽装のもつ意味、ミートホープ社、偽装地鶏、赤福再販売の問題

フランスでは移民に対する親族関係を確定するためにDNA検査をすることを許可する法案が通ったようです。これまで沢山の虚偽の親族関係が申請されてきたことにたいする対応のようですが、当然猛烈な反対もあったようです。しかし、申請者が希望すればという条件つきで認められたと報道にありました。
これが投げかける問題はいろいろあります。
DNA鑑定は窮極の物質的親子関係の確定でほぼ100%の確度で決定できるのですが、しかし実は相当に高い頻度で親子と思っていたのにそうでは無かったというケースがあるのです。国によっても異なりますが、たしか20%弱そうではなかったというデータがあると聞いています(たしかいちどこのブログで触れました)。なかには子供には知らせてないが、社会上の親子とちがう親子関係だったのが、DNA鑑定をすれば分かってしまうことがあるのです。その頻度も相当にたかいのです。こういうことが、DNA鑑定をすればいやがおうもなく、分かるかもしれないことがたいへん問題だと考えます。もちろん、移民を申請する人々にかぎらず、親族関係を確定するために、行政なり国の機関がDNA鑑定を多数の人々に適用するのは大問題と考える人もいるでしょう。わたくしもその点は十分に考えたいと思いますが、社会的に隠しておくことがベストなことが、こういうことで明らかになったときに、いったいどう対応すればいいのか、個人的には大変な問題になりうるということが、どれだけ考えられていたか、そのあたりが不安です。しかもその実験的な初めての政策が移民に適用されることに深い懸念を感じます。

食べ物というのは、本当はどこでだれが作ったのか分かると安心します。食べ物の90%以上が同じ村内、町内の人達が作ったものである時代もありました。いまはその逆で、大半の食べ物は誰が何処で作ったのか、分からない時代にわれわれは生きています。そこで産地やブランドを頼りにひとびとは食べて行くことになります。
地鶏といって、高い料金を払って食べていたら、それは業者がタダで購入して加工したものだったと。肉が硬いのでブランドを信じて消費者はそれを本物と思って食べていたとか。
ミートホープ社の問題も牛肉といって実際には豚とかトリとかのにくを沢山混ぜていたとか。この会社の社長さんは、豚の血液を沢山原料にまぜて、赤いミンチ肉を率先して作っていたとか。
赤福の場合もつくりたてと宣伝しつつ実際にはいっぺん売れ残ったものを、できたてほやほや新鮮なものと偽って販売していたとか。
共通していることは、食品のラベルというか、どこでだれがいつどのように作っていたかの情報の中に嘘が混じっていたことです。そして、その嘘が通ると、同じ商品の値段が何倍も異なりうるのです。売ってはいけないものも売れるようになることです。ラベルをちょっと変えるだけでお金がざくざく入ってきます。味をしめたらやめられないでしょう。

もちろん、これらはまちがいなく、不法行為です。消費者をだまして、不法に利潤を得ているとも言えます。しかし、問題は実は消費者はこれらの不法な情報を見抜けてないということです。ミートホープ社のや赤福の不法な食べ物を口に入れてからまずかったり腐敗しているとかで口からはき出すような事はせずに皆食べてしまっています。疑いをもった人達は居ないのでしょう。地鶏のひどい話も、硬い肉でこれは地鶏と本当に思って原料ただの鶏肉を食べていたのです。
つまり、ラベルを信じることでわれわれは食べ物をたべるところを巧みにつかれたら、わけもわからずに何を食べさせられているのか分かりません。
中国製を食べないといくら主張しても、ラベルを偽られたら分からないのかもしれません。不信の気持に駆られたら、最後の道は、自分の知っている人達の作ったものしかたべない、というものです。わたくしはそういう人達が増えるのがこれからのあるべき傾向だと思うのです。
食べ物についての関心が増えるのはいいのですが、誰が作ったのか、作った人に直接お金で払うのが、窮極のベストの方法のように感じます。

話は違いますが、最近いろんな酒類がありますが、テレビの宣伝で有名人がおいしそうに飲んでいるので、そんなものかとのんでいる人もいるでしょうが、そういう先入観がなければ飲んだらすぐ口からはき出したくなるような酒類が多いのではないかとわたくしは最近思ったりしています。
合法的なラベルや宣伝にもわれわれは惑わされてはいけないでしょう。

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