無料になった湖西道路、土曜の朝はたいていちょっとした渋滞にあいます。おかげで堅田あたりのコンビニなどはかなりの打撃とか聞きます。道路も無料化一年もしないうちに超重量車が絶え間なく通るので、穴があいたりして、ボロボロです。舗装がちょっと弱かったのでしょう。道路維持費は相当かかるでしょう。
きのうの続きですが、まず説明責任を2教授がきちんと果たしてないというところで、つまずいた経過をたどった、大阪大学医学部捏造事件です。日本のもっとも著名な医学部がこうも不手際な対応をするとはまったく思いもよりませんでした。
教授に対する処分の理由も学生に対しての、監督不行届ということだけのようです。驚くべきことです。
問題のほとんどすべてを転嫁された学生が二教授に対して、名誉毀損で訴訟に出るというのも、ある程度予想されたことです。大学はデータを捏造した学生と認定したはずなのに、本人はまったく認めてないようです。事実上普通に卒業させるわけですので、大学は訴訟の対象とはなってないようです。しかし、これだけの多数の論文のデータ捏造者と決めつけられた本人がそのまま医師、研究者としてやっていくのは、大学医学部として、あまりに無責任(当該学生に対しても)と思うのです。
この問題、長期化、泥沼化を避けるべきです。文科省は研究倫理として、厚生省は医師養成にからんで、調査に乗り出してほしいものです。それにいまや日本の研究の全般的な舵取り場である科学技術総合会議も無関心ではないと期待したいものです。とくに、かつての大阪大学医学部長であった岸本大阪大学元総長が有力メンバーであるこの会議は影響力も甚大であり、このような軽微なかたちでの大阪大学の対応に警告を発するべきです。そうでなければのちのち深い悪影響を残すでしょう。
いろいろな問題があるのですが、医学部、とくに臨床系教授の多くがレンタルマンションのオーナーのような感覚で、マンション居住者のだれが論文を書いても責任著者であるかのような研究経営をしているのも、この問題が起きたときの教授の責任感の希薄さの理由があるのかもしれません。
しかし、わたくしが色々な人たちに聞いた話しでは、下村教授はこの一連の研究が捏造とわかるその瞬間までは、研究成果のすべてを手に入れるかたちで学会発表なり、研究費申請、特許出願なりをしていたと言うことですから、失礼な言い方かもしれませんが、得意の絶頂であったのではないでしょうか。
それが、捏造と判明した時点で、この学部学生の捏造で、自分は完全に騙された、被害者であるという態度をとられたと聞いております。もしも、そうならば、そう感じたのならば、わたくしが昨日に述べた理由で、事実上の教授というか研究主宰者の資格を放棄したと聞こえてきます。捏造者がポスドクではないのです。まだ医学部を卒業してない学部生ならば、ほぼテクニシャンと同格です。テクニシャンに騙されたというのなら、しかも責任をテクニシャンに100%転嫁するのなら、これは教授を続けることは困難です。
わたくしが、大阪大学の今回の処分というか、そのもとにある考えに強く反撥するのは、この点が最も大きいのです。大阪大学医学部の教授はこのような責任転嫁を認めるメンタリティーのかたがたの集まりのはずがないと、信じたいです。
もしも、この事件は自分が100%責任があると言明し、詳しく何が起きたか、疑問の余地のない経過説明を下村教授が果たしたのなら、わたくしはすくなくともその説明だけで満足するでしょう。同じ大学の人間でもないし、同一研究室のメンバーでもないのですから、たぶんわたくしのレベルでは、つまりある程度距離の離れた研究コミュニティーの一員としては、いちおう決着した話しとなります。別に謝罪など要求するはずもありません。
ただし、学内や研究室内や、さらには同業者仲間では違ったレベルの問題があるでしょうが。
竹田教授について、わたくしは研究面での役割の情報がほとんどなく、この捏造実験のマウスを提供したと言うことになっているだと聞いてます。しかし、そのマウスは存在しないので、研究および特許申請の土台になる部分がないのですから、もちろんことはたいへん深刻です。信用という点でいえば十分な説明責任を果たさなければ、どのようにして、その信頼が再び得られるのか、不可解です。
ともあれ、大阪大学はこのような処分でしばらくすれば世間も静かになってみな忘れてくれると思われているのでしょうか。そういう体質の大学なのでしょうか。それとも、ことの重大性が分からないのでしょうか。
しかし、大阪大学当局がわからなくても、大阪大学医学部の多くのメンバーはことの重大性を十分に分かっていると、信じたいし、信じています。停職期間を2週間から3か月にすればいいという問題ではないということもお分かりと信じたいものです。
このまま、放置して問題の長期化、泥沼化させるのは大阪大学にとっても日本の研究体制にとっても、たいへんにまずいと思います。
いまからでも遅くないので、本来やるべきこと立ち戻るべきではないでしょうか。