バイオリソース

今日は、大阪駅にあるホテルであったシンポジウムとその後の大阪市大のSC教授の退職記念祝賀会に出席しました。
シンポジウムは、文科省の支援する酵母のバイオリソースに関わるものでした。研究には研究材料がつきものですが、多くのものは「生もの」で冷蔵庫や冷凍庫に保存しています。研究が進めば進むほどそのような研究「資源」が増えます。具体的には突然変異体とかDNAとかそのようなもので、研究者がそのようなリソースを必要とするときはそれを作った研究者に手紙やメールを書いてお願いするのですが、これらを一括してある場所に保存して、依頼があったら発送するような仕組みがあれば大変役にたちます。研究の効率的な運営とか永続性を考えたら不可欠な仕組みです。ある研究者が退職して、それと同時にリソースがなくなってしまったら、研究の永続性も、検証も発展もなにもできません。
SCさんはこの酵母リソースの責任者であり、ご本人の優れた研究業績をおいても、いまの日本のみならず世界的にみても酵母研究において、余人を持って変えられない大切な役割を果たしています。
SCさんとのつきあいは30年近いと思っていましたら、きょう正確な年がわかりました。1979年からのつきあいです。わたくしが、分裂酵母なる微生物を研究室で始めるにあたって、いろいろ教えてもらった大恩ある関係です。
わたくしは、普通は退職記念の祝賀会には出席しないのですが、今日は例外としました。
シンポジウムは、ポストゲノム研究ということなので、京都の研究室でやっているマンダラプロジェクト、それに沖縄でやっているG0細胞の研究プロジェクトを話しました。興味を持っていただけたようです。

研究の過程で沢山のリソースが生まれますので、これらを研究コミュニティーに供与するには、リソースセンターがあれば理想的です。無償供与ということですが、将来は送料とハンドル費用程度はもらうべきでしょう。このような試みはまだまだ世界的にも稀な出来事なので、日本としてはどんどんやるべきだと思います。日本の科学の貢献としてみなされるでしょう。酵母いがいにも20種以上の研究生物種のリソースがいま国内で資源として保存されるようになっています。
シンポジウムのあとの、会もSCさんの人柄を反映してとてもなごやかなものでした。彼のあいさつもとてもよく、感銘を受けました。

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