北陸電力の隠蔽、堀江氏への判決

堀江氏への判決は英国BBCではトップ記事のようでしたが、米国での扱いはなしか、あっても小さくでした。結果は予想通りで、数日前にちょっと書きましたが、99%のルールにぴったりはいっているので、なにも付け加えることはありません。最高裁までいって、結局収監されて懲役刑をうけるのか、とおもうと今の時代を象徴した人になるのだな、とおもいました。後、リクルートの江副社長のようになるのか、角川氏のようになるのか、はたまた勝新のような江夏のようなケースになるのか、それともこの分野でもあたらしい道を切り開くのか、どうなのでしょう。それとも、最高裁までのあいだにこのような事件について、時代の考えが変わりますでしょうか。

それよりも北陸電力の大事故の隠蔽がひとりの社員の内部告発による、という読売の記事に注目しました。勇気ある告発ですし、逃げおおせたとおもっていた、会社上層部もこれからあらためて、審判を受けることになるのでしょう。
この事故は、茨城東海での死者が出た臨界事故のすこし前のようです。
この事故が公表されていたら、あの事故もなかったかもしれません。

原子力発電所での勤務者や内部の様子はなかなか分かりません。
しかし、もう15年くらいまえにある人に聞いたのですが、大学などでの原子力の不人気が原因で、原子力発電所の現場での人材の払底は危機的状況で、じっさいかつては工学部トップクラスの人達が多かった職場が、専門学校出身を含めた未熟な勤務者が増えて、由々しい状況だというものでした。どこまで本当かは知りません。
しかし、原子力発電所の不便な場所を、かんがえたら、そこにずっといなければならないのなら、若いエリート技術者に人気がある職種とはとうてい思えません。
たぶん、平素は計器を眺めている退屈な仕事なのかもしれません。危機に陥ったときに、その実力が問われるタイプの職業です。
今回発表された、事故の原因がマニュアルが正しくなかったことも含め、考えられないミスの連続とかという報道が本当なら、やはり発電所現場の勤務者たちの士気と能力の検証がぜひとも必要でしょう。トップをいくら絞ってもなにも真相は見えてこないと思うのです。
そもそも過疎地に原子力発電所をつくるということは、大事故が起きたときの死傷者の数を減らすという発想以外ないわけですが、そんな危険なものが過疎の中の勤務場所でミスが常に起こるかもしれない、もしくはテロなどにあったときに強力に守れるのかどうかも含めて、日本の社会全体がよく考えるべきことだとおもいます。
半分冗談のように聞こえるでしょうが、東京ならお台場とか、阪神なら神戸ポートピアとか京都ならJR駅のそばに原子力発電所があったら、ひとびとはまったくちがった印象でこの問題を考えるでしょう。原子力発電所が大都市内部にあれば、高圧鉄塔の大半は地方の景色から消えるのですが。
でも怖くて夜も寝られない人が大都市では増えるでしょう。
それで、いま原子力発電所がある地方の人達が急に考えを変えるわけでもない、原子力発電所の立地と住民の関係は、わたくしには分からない、約束事からできあがっているように思えます。

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