忙しいので朝の今のうちにブログを書いておきましょう。7月のオランダで買った投げ込みヒーターが役立っていまもいつものZのコーヒーを挽いたもので飲んだのでいつもの気分にもどれたところです。
わたくしはこの二日間のシンポジウムのトップバッターだったのですが、その役割は果たせたのかどうか。そのあたりは分からないのですが、わたくしの話はだいたい非常に難解とよく言われたのですが、栄養がらみになってからはあまりいわれません。今回も話では一カ所以外はだいたい何を考えているかは分かってもらえたのでしょう。その一カ所のところも旧知のひとにはすぐ分かったみたいなので。
昔からよくしっているUSさんんが座長でした。おなじ分裂酵母のMBさんとか、京大からいかれた伊藤先生とか、シンガポールといえば最初に思い浮かべるひとたちも、もうシンガポールでは老舗研究室の経営者であることに気がつきました。会場で紹介されたりプログラムから見た、この数年間でシンガポールに研究室をかまえた欧米出身、アジア出身の研究者の顔ぶれをみて、その層の厚さにおどろきます。立場上、沖縄との比較は書きにくいのですが、シンガポールに参集する世界の研究者の数の多さと質の高さは瞠目に値するものです。この先はpositive feedbackがかかればすごいことになる可能性もあります。
夜の懇親会で、お話しした人たちのはなしから推しはかると、やはり英国から来ているがん研究の大家DLさんの影響は大きいなと思いました。このシンポジウムでも最後にしゃべられるそうで楽しみにしています。
日本からの研究者も沢山おられますが、これはもちろん伊藤先生の影響が甚大でしょう。田矢さんも含めて、有名人がおられます。若手研究者も元気がいいです。
シンガポールが国力を結集して発展させているので、日本からの訪問者はVIPというかえらい人達だけでも大変な数のようです。きょうあたりから東北大学からCOEがらみで15人も来るとか。そういえば京大の生命科学のわたくしたちも大挙きたものです。
しかし建物や設備を見るのでなく、シンガポールは英語を共通語としている事実をいちばん重視して欲しいものです。またPY氏を筆頭に能力のたかい行政のひとたちが世界中から人材を集め、かれらが気持ちよく住めかつ潤沢な研究費で研究できる環境を作っていることに目を向けないと、日本にとってはほとんど参考にならないでしょう。やはり中心研究者達の存在感が世界に与えるインパクトは大きいのです。沖縄のほうもいよいよ来年になると箱のほうの一期が完成して、世界からの注目がたかまり、いろいろな意見や感想、評価が出てくるのでしょうか。
なお夜の食事会で東京の国立がんセンター時代から知っているTさんともお話しできました。元気いっぱいの彼女をみると日本の女性もシンガポールでの経験を踏まえて大きく育っていくのではないか、という予感を持ちました。外国で住めば自分を見つめるその見方が拡がり深まるのですが、特に日本の女性にとってはそうではないでしょうか。彼女は帰国子女かと思うくらい英語は上手でしたが、まったくそうではなく公立都立高校の出身だそうで、普段の努力でそうなったようでほんと感心しました。シンガポールは将来的に日本人にとっても手っ取り早く世界を知りアジアを知るための最良の都市として働く人たちが増えるでしょう。でもすべての出発点は語学でしょう。聞きにくい現地英語もものともせず、相手と親しくしゃべれなければ海外にでても価値は十分の一以下です。
日本も本当に20%くらいの人口が英語を活発にしゃべれるような国是になって欲しいものです。そのために大量の国費を使ってもいいでしょう。誤解も招きますが、徴兵制もないのだし、国民の義務として英語を学ぶために海外に出る機会を若者(年配でももちろん)に与えるのに国費をつかうことにわたくしはまったく賛成です。