インドのひとたち、やれやれやはりコネか

昨日、基調講演ぶじすみました。内容がこなれてきたな、とおもいます。

インドの若い女性にはシャイな人が多いですが、きょうになって何人かが、よく分かって面白かった、ちょっと質問していいか、とおずおずと聞きに来た人たちもいました。一方でインドの若者には妙に強く出てくる人たちもいるのですが、あれは競争が激しいので、しぜん頭角をあらわすためにいつも話す相手に対して強くでる習慣があるのだ、と思っています。でもそういう人はインドではほとんど見かけません。見かけはどうあれ、インドの人たちは根本的には穏和な人たちが多いな、と感じてます。
よく聞くと面白いテーマなのですが、データよりもおしゃべりが多い、という傾向があります。それでなにが仮説でなにが実験的にキッチリ証明されたのか、分かりにくい話が多いのかな。そのあたりインド在住で極めて著名な研究者はほとんどいないという今の国情が理解されます。

真面目にずっと夜まではなしを聞きました。かつてポスドクだったRMくんがはるばる飛行機で時間をかけて来てくれました。しばらく彼とはなしをしました。なおここの食堂の食事は悪くはないが、やや簡素かなという感じです。そのあと、北米と北欧から招待講演できた人たちとビールを飲みに町に行きました。インドの人たちの助けがないと飲みにも出かけられません。

はなしは違いますが、インドでも中国でも何がいちばんの問題ですか?、と聞くと多くの人が「腐敗」を問題にしました。だれがいったかなどは、差し障りがありますが、若い人も年配のひとたちも同じようなことをいいます。どういう腐敗か、聞きますとやはり[コネ]だと断言するひとが多かったです。
なるほどなあ、と嘆息が出ます。
なるほどわたくしの所属する大学も、西欧出身の最高の賞の受賞者の、最高権威というか権力者が極東の日本までのこのこやって来て、コネを駆使しているようにみえるのです。わたくしなどがオフィシャルに批判しても無視して、もんきりでなにも無い、と一切調査もしないし、答えようとしないのですから、上から下まで、世界中そういうことになっているのでしょうか。そうならば、悲しいことです。
今回、わたくしも、いろいろ追求する過程で、コネに対してほとんど批判精神をもたない日本人が多数だということに気がつき愕然としました。怒りの矛先をもたないし、あきらめもの気持ちもなく、コネですか?なんか悪かったですか?という調子の日本の人々が増えているようです。公的なお金(つまり税金)を使うコネ人物や組織に対する批判などはいまの日本、物好きしかやらないのかもしれません。

そうはいいながら、コネ社会のいちばんの問題はろくでもない連中がコネ手段で自分の働く社会に増えていくわけです。正当な競争や評価よりは、コネが最重視されるのですから楽しいはずがありません。そのうえ、こんどはコネでやってくる連中は、自分がコネを駆使して公的資金も使い出すわけですから、これを腐敗社会と言わずしてなにが腐敗社会なのでしょうか。
わたくしも自分の研究室の出身者がコネを使わずに実力で活躍して欲しいと意識して、苛酷なくらい何もしないできました。今回のような経験をすると、それでよかったのかなと、思ったりしてしまいます。

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