インドの基礎と応用の研究、インドの人々、追記:望まれる政治家像の確立。

今回わたくしを基調講演に招待したオーガナイザーのひとたちはわたくしが長年やってきた染色体分配とか、セントロメアや動原体のはなしをするのではないか、とおもわれたのでしょう。それが老化やエージングの話題でどうだったかな、ともおもいますが、人の老化の理解に酵母の研究が非常に役に立つという主張ですから聴衆の大半をしめる酵母研究者にはたぶんここちよかったはずです。
きのうは感染症の原因をつくる酵母、つまりカンジダ(Candida)の酵母の話しが多く面白かったです。インドとしてはこのような人間に重篤な症状を引き起こしかねない酵母菌の研究なら奨励したいのでしょうか。そうなら、よく理解出来ます。内容的にはそれこそセントロメアとか動原体やDNA複製など、きわめて基礎的な研究も多く、クスリのはなしとおよそ半々くらいでした。基礎的な内容ではわたくしにとってごく間近な話題もあり、へえー、と身を乗り出して聞いたものでした。外国からの代表的研究者もよく混ざっていて、いい感じでした。
夕方講演が終わってから、6時半から2時間、晩飯前のコンサートがありました。伝統的なインドの音楽楽器と西洋のを混ぜたものですが、聞いたことのない早いテンポの音楽でした。
厭きるとかと思ったのですが、そんなこともなく迫力があり技術的にかなり高いものを持っている演奏者に感心しました。ちょっとわたくしも飛び入りで参加せよといわれて打楽器をやらされました。ひどいヘマはやらなかったはずです。
7人も演奏者が目の前に座っていましたので、しげしげと顔や体つきをみていて、インドの人々の多様性を強く感じました。典型的なアーリア人的な顔つきと先住民といわれるドラヴィダ人の風貌をゆうしているひとたちがいて、これらの混在が非常に広汎な風貌の人たちをうみだしているとおもいました。インダス文明はドラヴィダ人がつくったものであり、南部に多いといわれるドラヴィダ人はアジアというか、モンゴル系、つまり日本人とも近くなるわけです。それと北部の典型的なアーリア系のひとびとが非常に混合していまのインド民族があるのだとおもいます。
そういう目でみると、マハトマガンジーさんはドラヴィダ系の血がすこしあったのではないか、それに対してネールさんは典型的なアーリア系かなどとおもったりします。

インドも中国とならんでなにしろ歴史が長い。こういう多様な人々を眺めていると、かれらの歴史の長さを痛感します。インドの平和主義は正真正銘のものですが、周囲はかなり乱暴になってきているので、国全体もこの急速な社会と経済の変化でぎすぎすしたものになりがちです。
平均寿命が64才ですから、そしていっぽうでRMさんの親族などは90才がぞろぞろいるわけですから、インドの苛酷な部分と将来性も感じるわけです。

追記
投稿してからまだ朝飯まで10分あるのに気がついて追加しておきます。
野田内閣の支持率の著しい低下です。もう30%台だそうです。
国民に見切られてしまったというのが真実なのでしょう。
震災にたいしての抜本的な対策がないのです。枝野氏のように震災当時の実質的な最高責任者がいまの内閣の枢要大臣ということは、抜本的策をあらたにつくるのは無理という当初の予想どおりです。
日本国民が奮い立つような状況をつくるのが政治の役割なのに、無為無策にちかい震災対策のうえに結局は増税に命と体を張ると首相がいうのを聞いては、国民の気持ちは離れたのにちがいありません。
増税をいう前の段取りがぜんぜん出来てないし、命をかけるのはまず原発と震災対策ではないのか、これほどの急速な支持率の低下をみると日本国民のいらいらは相当なものだということになります。
でもこういう政治家しかいないのはわれわれの責任なのです。自分に自分でつばを吐いてもよくなりません。いまからでも遅くないから優れた政治家を育てないといけません。そのためにまず望まれる政治家像の確立が望まれます。

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