このあいだどこかのラグビーの強い大学の選手が大麻つまりマリファナを使用していた、たしか栽培までしていたとの報道がありました。
どうも大麻というのは色んな意味で難しい麻薬であるので、ちょっと考えてみたい、とおもいます。
大麻を500グラム持っていることが判明すると、シンガポールでは死刑になると聞いています。たいへんな厳罰です。
日本では、懲役刑になる罪と聞いています。大麻取締法というのがあって、栽培した者は懲役7年以下、持っているものは懲役5年以下と聞きます。これも相当な罰です。
ところが欧米諸国では、罰金刑がほとんどのようです。犯罪性としては、かなり低いものとの認識のようです。大麻の精神依存作用は、ヘロインや覚醒剤の場合とくらべると、弱いので大麻の規制を緩めて、コカイン、ヘロインの利用頻度を下げようという行政意図もこれらの国にはあるようです。
なぜこのような大きな差が起きるのか、考えると非常に複雑な問題があることに気がつきます。
大麻に陶酔作用があり、なおかつ精神的な依存性は相当なもののようです。しかし、アルコールやタバコとの比較から、たいしたことはないと、主張する意見も強いようです。しかし、これらを単純に比較するのは無理でしょう。ただ、飲酒や喫煙とおなじように、大麻喫煙も個人差が相当にあるようです。つまり、作用が強く出る人と、ほとんど出ない人もいるようです。
インドやモスレム諸国では禁酒なので、相対的に大麻にたいしては寛容で、宗教儀式で使うこともあるようです。
日本では、どんなに泥酔しても警察官も苦笑いするくらいですが、欧米では町中を泥酔していたら、警察に連れて行かれるのは周知のことです。ですから、実質的に泥酔状態で町をあるくのと、大麻を所持するのは、かなり近いという認識ともいえます。
日本は自動販売機でお酒をどんどん売る国であるので、大麻を厳しくするのは、ある意味で社会的なバランスとして、合意が得られやすい。つまり大麻など吸ってはいけません、そんな気持になったら適当に酔っぱらいなさい、ということでしょうか。酔っぱらいに対する社会的寛容性は相当高いのですから。
しかし、飲酒が厳禁されているスポーツ選手やまったく酒の飲めない下戸の人の場合にはなにかお酒に匹敵するようなものが欲しいという、要求はあるような気がします。
だから大麻の罰を軽減化せよなとどは、わたくしは主張する気はまったくありません。大麻を飲んだら、もっとハードなドラッグや麻薬に向かいたくなる傾向が若い人を中心にあることは間違いありませんから。
ただ、いまのこの一罰百戒的な懲役刑を残しておけばそれでいい、というものでもないような気がします。諸国が大麻に対して、いろんな対応をしていることは事実なのだし、その理由を調べるのも意義があるでしょう。日本でもヘロイン、コカイン麻薬や覚醒剤の被害にあっている人達は、相当な数になってるのですから、大麻問題もその中で考えていくべきでしょうが。
ラグビー選手がなんで、そんな馬鹿なことをしたのか、調べてみるのもいいと思うのです。
お酒はお金がかかりますが、大麻を自分で栽培しているとお金が一切かからないのが特徴です。金のない、スポーツ選手や一般学生がとくに南アジアなどでの海外での大麻喫煙経験のあるわかものがはまりやすいようです。
大麻は精神的な依存性の効果だけでなく、誘惑に負けて日本国内でみつかったら、社会的な生命を絶たれるような厳罰をうけることを、若者にはつよく伝える必要があるとおもいます。