鳩のトレーニング Training of pigeons

週末に過ごす家の傍には鳩の飼育小屋があって、毎日持ち主の方が来て、鳩を外に出します。そうするとかれらは一斉に空に飛び立ちます。
ざっと100羽空をぐるぐる回って飛びます。
半径100m位でしょうか、ともあれ団体行動でのこの飛翔を続けます。
10回から15回位経つと、飛翔をやめる鳩が出始めます。4,5羽がぱらぱらと舞い降りる感じで鳩小屋の屋根に留まります。そうなると毎回10羽くらいのテンポで舞い降りるのでそのうち数が半分くらいになります。
わたくしにはどの鳩がまだまだ飛び続け、どれがもうすぐ止めるのかまったく区別がつきません。どれがリーダーなのか分かりません。そもそもこのぐるぐると飛び続けるのにリーダーがいるのかも見てるだけでは分かりません。
飛んでる鳩の数はだんだん減ってくるのですが、20羽くらいになってもスピードは下がりません。これくらい少数になってからでもますます元気よく飛んでるのがいるので、ふーんこれはエリート鳩か、と思う一方で、止める鳩と続ける鳩の間には何のコミュニケーションも存在しないのかな、と見えます。伝書鳩とはこんなものなのかな、とも思えてきます。
そういえば昔、新聞で伝書鳩が記録を争うとかいう記事を見たのを思い出しました。最初は団体行動だから、みな一緒に心を合わせてやってるのかなと思っていたのに、実際にはマラソンみたいに競争行動だったのか、と思えてきて拍子抜けしました。こういう勘違いはよくあるものです。
見てると少数の早い奴らはまだまだぐんぐん旋回運動を続けてます。止めた鳩達は、最初の頃は鳩小屋の屋根に止まっていたのが、電線などにも止まり出しはじめ、みな結構ばらばらになって、本当は個性が色々あるのに気がつきます。見てると、またもう一度参加しようと旋回運動をするのも出てきます。何を感じてるのでしょうか。
結局、30分くらい経つと、全員の運動は終わりで、小屋の上はびっしりと鳩だらけです。
みな白色なので、飛翔中にあったあれだけ鮮やかな個々の鳩の違いはまったく分からなくなります。
これらの鳩達は関西のお葬式でよく見かける、葬儀の最後に一斉に飛び立つあの鳩達だと持ち主の方に聞いた記憶があります。飛び立つのは一緒でも、帰宅はかなりバラバラだろうと、予想したのですが、本当のところどうなのか、こんど持ち主のIさんに聞いてみます。

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