まだ今日午前に9人の発表があるのですが、失礼してロンドンに向かいます。
昨夜のバンケットはオールドカレッジの壮麗な建物の中央でありました。地味ではあるものの、それなりに皆さん着飾って沢山のテーブルに別れて座ります。メニューがヘルシーで野菜も多く、さっぱりして安心して食べられました。サービスも素晴らしい。ワインもかなりいい。最後にスペシャルなスコッチウイスキーが出てそれを楽し見ました。
皆さんはまだまだいるのですが、わたくしは10時半過ぎになったのでホテルに戻りました。朝4時と早かったですからね
今回の講演でわたくしがいちばんいいと思ったのはコロンビア大学のRichard Valeeさんのでした。いわゆる碩学のしみじみとした深いはなしと、最近発展した非常に新しい研究結果と渾然と一体化してわたくしとしてはAクラスに超をつけたいような素晴らしさでした。30分弱の講演があっというまに経ってもっともっと聞きたいと心から思いました。そのうえわたくしの個人的に長く抱いていた疑問もあとでValeeさんに直接聞いて氷解しました。この講演一つを聞いただけでもはるばる来た甲斐があったのでした。あとはJon Pinesさんの新しい技術から出た包括的な結果も注目に値します。
バンケットの時にポスター優秀賞が三つでましたが、うち二つが中国からの若者でした。若者はこういう学問の世界としては華やかな場で光があたることにより伸びていくのですね。
こういう華やかな場を、仕分けやコンプライアンスの恐怖からもはや作れなくなりつつある日本の学問の場は流れとしての転落を避けることはできないでしよう。この会は国際会議ですが、旅費と参加費は参加者がすべて自前で見つけて払って、オーガナイザーの任務はシンポジウムの会場運営費、休憩時のお茶菓子、それに昼夜の飲食代をEMBOや企業からの支援や寄附でまかなっているのです。集めたほとんどのお金が会場費と飲食になっていることは明らかです。消費される飲み物がおおいことです。
きょうはロンドンで午後にいよいよコンボケーションです。いったい、どんなものか楽しみです。次は50年後ですからもう二度と無い機会です。王族たぶん女王もでるのだから、特別な服を着ていかねば駄目と、きのうの夜だいぶからかわれました。そんな服は持ってきていません。借り着して特別な帽子をかぶらんといかんなどと、さんざんいわれました。冗談に違いありませんが、でもなんだか心配になって蝶ネクタイくらいはいるのかな、などと思いだした次第です。
そのあと招待状をよくよくみたら、lounge suitとあって安心しました。