会議の会場を見てずいぶん立派なのでびっくり。この米国の権威ある医学校のキャンパスど真ん中にあって、真新しく感じる会議場です。要するに、お金が随分かかっただろうなあということです。
もともとはこの生き物を研究するのはかつては貧乏ラボがほとんどだったのですが、出世したもんだなと感心しました。
登録が予想外に時間がかかって、つまり寮への宿泊の手続きがひとりずつ結構かかるらしいので、それで延々長蛇の列が続きました。PNさんが登録をしながら、レセプションの食べ物をとり、ドリンクを飲みのは始めての経験だと言ってました。これはたしかに予想外の出来事でした。でもニックは一人で莫大な量の準備をしたのでしょう。非常に充実した会になるでしょう。
オープニングは三人しゃべりまして、二人はPNさんがいうところの第三世代のPRさんとKGさんでした。たしかにそういう勘定の世代になるのでしょう。しかし実際に分裂酵母を始めた時期はPRさんとわたくしはほとんど同じなので、研究室の主宰者としての時間差と考えればいいのでしょうか。ともあれ、お二人とも大変優れたかた達で、業績にも人物的にも素晴らしいものです。お話はとてもおもしろかった。
わたくしも恥ずかしながら話をさせてもらいました。年寄りの冷や水というか、わたくしの平素の頭にあるモデルを前面に出したので、まあ眉唾というかなかには反発する人もいたでしょうね。
なんでも新しいのは分かってもらうのにかなり時間がかかるものです。かつてカットと呼ぶ変異体をマイトシスの変異体として発表したときにずいぶんおかしいヘンだ、ヘンだと言われたものですので、わたくしは慣れています。栄養源が細胞の性質の根幹のひとつでもある大きさとかたちを決め、それに関わる遺伝子は驚くほど少ない、というメッセージで、しかもそれらは細胞周期やストレス対応の既知の遺伝子群と未知の遺伝子群いう実験結果は十分な理解には時間がかかるでしょう。
終わったあと、PRさんとビールを飲みました。久しぶりなので、ゆっくりよもやまばなしが出来ました。秋には沖縄に来てもらえます。
そういえば今回会いたいと思っていた、SEさんが会場にいるのでびっくり。なんと会場から数十メートル(と言う感覚)の距離にラボがあるのでした。部屋とラボを見せてもらいました。会期中に話がいろいろ出来るとおもいます。これはありがたい。いま沖縄に来てがんばっているAさんの研究とも近いかもしれない研究をしているSEさんだし、そういえば今回のPRさんの発表もなにかかなり近いものであるようにみえました。