健康格差を考える

さっきやりたくない仕事を一つ終わりましたので,ちょっと気分がましです。

きのう書いた健康格差のことをもうすこし書いてみたいです。かつて下流社会という三浦展氏の書いた本を読んで感心して受けとめたことがありました。このかたはマーケット解析をしているようですが,自分を大切にして自分の能力を伸ばそうとする若者の多くは失敗して下流社会層にいってしまう。下流にいかないのは、自己を抑圧した若者だというのです。つまり東大などに入るのは我慢に我慢を重ねて過ごしたわかもの達だけが後の生活を保障されるのだというのです。異論はあるでしょう。でも相当な真理があることもたしか。

さて、健康格差で下流に行かないためにはやはり我慢我慢が必要なのかです。健康で問題のない若い人の多くは、自己抑制、我慢など必要ないと言うでしょうが,健康が気になれば,自己抑制が必要なことは間違いありません。
わたくし、40才で喫煙習慣から完全に離れましたが,三五才頃からのやめるための努力は相当なものでした。高校での大学受験勉強に匹敵するくらいの自己抑制だったと思います。そしてやめられてほんとうに幸運だったと思います。
65才になって、夜の食事を10時頃からスタートするのを止めると宣言して、遅くとも夜8時には食事を終える生活に変えました。同時に食事量を減らし,体重5キロ落とし,血糖値の減少を試みました。目標はおよそ半年間のバトルによって達成しましたが。この期間は、まさにいくさという表現がぴったりでした。つまり自分が自分の脳みそとの戦いをしたという実感です。
わたくし、自分の寿命を延ばそうと努力しているのでなく、研究者としての現役継続のために必須という判断でやったのです。健康で落伍しては研究を続けられないですから。

そういうわけで,健康下流社会に属さないためには、少なくとも自分に関しては自己抑制と我慢我慢が必要であった,と言わざるをえません。
ただ、いちどある健康状態に到達すると、それを維持するのは実に簡単なものです。禁煙も一度達成してからはなんの苦労もなく維持できました。
いまの状態も油断は出来ませんが、体重が増えれば直ちに食べる量を減らせばいいので必要なものは体重計だけです。
ただ言えることは,食べ物についての特にカロリーについてのそれなりの知識が健康上流に行くためにはいるということです。結局,自分の身体についての科学的知識が必要ということになるのかなとおもいます。
それで結局わたくしなりの結論は、おおむね経済格差と健康格差で下流に行かないためには,相当な自己抑制が必要ということになるのかもしれません。抑制という言葉がよくなければ、自己制御、克己心とかいいますか。ただ経済格差のほうは若い時の抑制、健康格差は中年になってからの自己抑制で,人生での時期が異なるのでしょう。

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