受験生の頃か大学入学すぐか、オーウエルの動物農場(Animal Farm)を原書で読みました。やさしい英語ですが読了した高揚感でしばらく自分の英語力でもこういう本を最初から終わりまで辞書を引き引きでも読めるとこれから英語原書をたくさん読もうとしたものでした。
次はサマセットモームの本でこれも読みやすそうに見えたからです。月と6ペンスだったか途中まで読んだものでした。
その次くらいにまたオーウエルのHomage to Cataloniaを読みました。自発的に読んだのか、教養の授業で読まされたのか、大昔のことなので記憶が定かでありません。
でもこの本はわたくしに甚大な影響を与えたらしく、大学の紛争と誰もがイデオロギーを語るのに夢中で、自分もその一人だったのに三日坊主でなく三ヶ月坊主ですっかりイデオロギー嫌いになってしまったのでした。それが、オーウエルの筆致というか行間に溢れる若さからくる政治情熱と、それをはるかにうわまわる人々への共感と愛情に心を揺さぶられたものです。
それから10年もたってスペイン1ヶ月旅行を企てたのもこの本の影響があったように感じます。実際にわたくしにとって人生でいちばん意義のある旅でした。
30才になるにはまだ間がすこしある時期で、自分の人生でいちばん不安感と高揚感が大きかった時期だと思います。
今朝の朝刊を見ると、カタロニアは独立するかもしれないとの報道です。
スペイン市民戦争の背景は何だったのか、ファシズムとへの闘いで義勇の戦士も沢山いたしオーウエルもその一人だったのでしょう。でもその一方で100年経ってもやまない地域間の争いだったとも言えるのでしょう。
カタロニア州独立について、今回はイデオロギーの言葉はあふれてなく、地域がぜひとも独立をしたい。
なぜか、根底に怒りと悲しみがあるに違いありません。
ですから、泥沼の争いでなく、できるなら平和裡にやってほしいと願うばかりです。
あのとき10日くらいぼやっと過ごしたイビサ島はカタロニアの一部なのでしょうか。スイスに戻ってイビサ島にいたと言ったら、お前はヒッピーだったのかと言われて目を白黒させたのを思い出します。